自担だけがいない

2016年1月17日

バイトの休憩中、いつものようにTwitterを開いたはずの私の手の中に、オーラスの開始が遅れているという知らせが流れ込んできた。その知らせは一瞬にして、7人グループの関ジャニ∞が何故か6人でステージに出てきたという知らせ、ただならぬ空気が流れているという知らせ、大倉くんだけがいない、大倉くんが腸閉塞になって、オーラスに出られないという知らせに変わった。

頭が心に追いつかなかった。あんまり意味が分からなかったけど、なにかよくないことが起こってるなって心が感じて、だけどなにもできないでいたら、今度は｢腸閉塞｣についてのツイートがたくさん流れてくるようになった。｢最悪死ぬこともある｣って、そんなツイートがたくさんたくさん回ってきて、怖くて怖くてたまらなくって、それでもやっぱりなにもできなくて、そうするうちに京セラドームでは大倉くん不在のコンサートが始まり、私は私でバイトの休憩時間の終わりが迫っていた。

このオーラスが、とにかくすごいものだったという感想やレポはたくさん見た。｢大倉の偉大さに気付いた｣｢大倉愛されてるね｣なんて、そんな言葉をたくさん見かけた。そんなこと、知っていた。大倉くんの偉大さなんてとっくの前から知っていた。大倉くんが愛されてるなんて当たり前だった。みんな私よりずっと前から関ジャニ∞が好きだろうに、今更その感想はないでしょ、なんて思ったことを覚えている。

今朝、ZIPで、初めてその｢とにかくすごかったオーラス｣の映像を見た。こんなに、こんなにも痛くてしんどいコンサート映像があるのかと。精一杯、大倉くんがいないコンサートでも楽しいものにしようとしてくれているメンバーの気持ちに胸が熱くなったし、｢悲しい思いをした人はいると思うけど、あの、でも……また来てくださいよ｣だなんて、涙を流しながら、すばるくんにこんなことを言われて、こっちが泣かないわけがなかったし。だけど、たった2分36秒の映像で、こんなにつらいのに。この何十倍もの時間、大倉くんがいないコンサート映像が流れ続けるのを｢私の好きな人は本当に愛されてるね｣｢メンバーみんなありがとう｣と聖母のような気持ちで見続けられる自信は、今はまだ、微塵もわいてこない。

誰よりも悔しくて悲しい思いをしたのは大倉くん本人で、誰よりも責任を感じていたのも大倉くんで。でもそれを、早々にラジオでネタにして、こっちに気を遣わせないようにしてくれて、そういう彼なりのアイドル力が、たまらなく好きなんだけど。

ちょっと引き際を見極めるのが下手くそだったり、不機嫌を隠し切るのが下手くそだったりするけれど、こっちがほしい言葉を敏感に汲み取って、それを伝えるのが上手な、あったかくて優しい人だから。

自分がオーラスに出られなかったから今回のツアーのDVDは出ません、ということになれば、きっとまた余計にしんどい思いをしたのも大倉くんだったのかなあと思うと、どんな形でも発売が決定したことはよかったのかもしれない。

こっちがこの決定を受け入れようが受け入れまいが、もう発売は決定していて、大倉くんがこれにGoサインを出したならこっちは受け止めるしかないことも分かってる。

だけど、だけど、やっぱり、どう足掻いたって｢自担だけがいない｣。

悲しい……と思ってしまう気持ちを許してほしいし、この事実を悲しむことが、今の私にできる最大限の｢大倉くんのことが好き｣な気さえしている。ヲタクなんて、どのみち自己満足だ。

｢大倉くんがいないのになんで買うの？｣

なんて言うつもりはさらさらなくて、私が他担だとしたら絶対買うと思うから、どのくらいの人がこの記事を目に留めてくださるのか分からないけれど、ぜひ、じゃんじゃん、買ってください。

私は、文句を言いながらそれをやる人がとても苦手だから、自分の気持ちがもう少し落ち着いたら、どうするか考えるつもりでいます。

好きな人だけが、自担だけが、大倉くんだけがいないコンサートのDVD。

早く、大倉くん本人に、｢なに難しく考えてんの(笑)｣だなんて、笑い飛ばしてもらいたい。

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